僕は良い・示唆に富んだ意見したくなることがよくあって、うまくいかなくて悩んでいた。 会議・ミーティングで自分がいる意味を見出すためにも、良いコメントをしようとしていた。
この考え方をしていると、会議で自分がこれだと思えるようなアイデアや意見がでるまで発言できないという状態になってしまう。 その間に、メンバーはより議論を前に進め、結果的に自分だけ何も貢献できていないということがある。
他のメンバーは、こんなに示唆に富んだコメントをしているのに、なぜ自分はできないのかという焦りを感じた。
この問題について、上長との1on1でかなり腑に落ちたのでまとめた
良い・示唆に富んだ意見とは
会議における「良い意見」や「示唆に富んだ意見」って、一般的にこんな特徴があると思う:
- 他のメンバーが思いついていない
- 会議の中での議論を前に進めるための意見
「他のメンバーが思いついていない」がより示唆に富んだ意見として受け取りやすいが、これを目指すのは意味がなかった。
「良い・示唆に富んだ意見」の錯覚:自己認識と他者評価のギャップ
意見に対する自己認識と他者評価には、興味深いギャップがあることに気づいた。
他者の意見に対する評価
他のメンバーが「すごい!」と思える意見を出すと、「なんて示唆に富んだ意見なんだ」と感じる。 なぜそう感じるか?それは自分が思いつかなかったアイデアだからだ。
自分の意見に対する評価
逆に、自分が思いついた意見は、自分にとっては当たり前のこと。 そのため、自分の意見を「示唆に富んでいる」とは感じにくい。 むしろ、「そうだよね」という共感の気持ちになる。
評価のギャップ
結果として、自分が出した意見は、たとえ良い意見でも、自分自身では「示唆に富んでいる」と感じられない(感じにくい)。 一方で、自分では普通だと思っていた意見が、他のメンバーには「すごい洞察だ!」と評価されることがある。
自分の意見の価値は自分では正確に判断できない。 だからこそ、「良い意見を出さなければ」という固定観念から抜け出すことが重要。
「良い・示唆に富んだ意見」よりも「共感の数」を重視する
「良い意見」を出すことにこだわるよりも、「共感の数」に注目することの方が効果的だと気づいた。
共感の数は客観的に計測できる
自分の意見が「良い」かどうかは主観的で、自己評価と他者評価にずれが生じやすい。 一方で、他者の意見に対する共感の数は、客観的に計測できる。
共感=自分も同じことを考えていた証
共感できたということは、自分が同じようなことを考えていたという証拠。 他の会議でも同じようなクオリティの意見を出すことができる。
気をつけたいところ
他者に共感してもらうを増やすのは良くない。自分と同じ意見に共感してもらうことを目的にしてしまうと、押し付けに繋がる可能性があり本末転倒。
そもそもみんな違う意見があるからより良い結果に持っていける。
共感ができるかどうかを指標にする方が良さそう。
打率でなく、計測可能な打席数を増やす
自分が出した示唆に富んだ意見/自分の意見=打率
とすると、自分の意見は打席数になる。 前項でも述べたように、自分が出した示唆に富んだ意見を把握できないので、打率を自分で計測できない。
一方で、打席数は自分でコントロールできる。
打席数が増やせれば、メンバーからFBをもらう機会が増え、意見が洗練される。 意見が洗練等されれば、他のメンバーの 示唆に富んだ意見 は 共感できる意見 に変わっていく。
結果的に他者から見た時に示唆に富んだ発言として受け取られることが増えているはず。
自分が良い・示唆に富んだ意見を出さなければいけないわけではない。ということを念頭におく
会議で「良い・示唆に富んだ意見を出さなければいけない」という思い込みは、実は生産性を下げる可能性がある。
完璧主義にならない
完璧主義の傾向がある人(僕ももその一人)にとって、これは特に重要だ。
「良い意見」を出せなかった自分を責めるのは逆効果。 むしろ、「完璧でなくていい」という考えを意識的に持つことが大切。
「良い意見」が必ずしも、「思い浮いていない」ではない
「良い意見」=「最初に思いつく」という考え良くない。 誰かが既に言ったことでも、それに対する自分の意見や解釈を述べること、賛成・反対の立場を示すだけでも十分価値がある。 これにより、議論が深まり、会議を前に進めることができる。
「良い意見を出す」以外にも、会議に貢献する方法は多くある:
- 質問をして議論を明確にする
- 他の人の意見をまとめる
- 異なる視点を提供する
- 決定事項を確認する
完璧を目指すのではなく、チームの一員として、できる範囲で最善を尽くすマインドが大切そう。
自分なりの結論
- 「良い意見」や「示唆に富んだ意見」を出すことにこだわりすぎない。自分が思う「良い意見」と他者の評価にはギャップがある。
- 代わりに、「共感できる意見の数」を増やすことに注力する。
- 「良い意見」を出すことよりも、発言する回数を増やすことの方が重要。
- 完璧主義にならず、多様な貢献の形を認識する。質問、まとめ、異なる視点の提供など、「良い意見」以外の方法でも会議に貢献できる。
まだまだ体現できていないので、意識しながら会議に臨んでいきたい。